【ベトナム・労務】最低賃金の増額(2015年1月1日より大都市圏310万ドンに) | 弁護士西遊記〜ベトナム、ミャンマー、ときどき中国。
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【ベトナム・労務】最低賃金の増額(2015年1月1日より大都市圏310万ドンに)

2015年の最低賃金の増額


*ベトナム法務【目次】
*関連記事:2016年の最低賃金増額をめぐる動き

Minimum Wage

ベトナムでは、ほぼ毎年最低賃金が増額されてきており、2013年→2014年の全体のベースアップ率は12.1%と、10%を超えました。
ASEAN全体で、ベースアップ率が10%を超えたのは、インドネシア、ミャンマー、ベトナムだけです。

JETROの調査でも、「人件費の高騰」をベトナムの投資環境上の課題として回答した企業が66.6%となっており、ベトナムにおける人件費高騰は、特に労働集約型の産業にとって、大きな影響があります。
(JETRO調査:JETRO「ASEAN・南西アジアのビジネス環境をどうみるか?〜ビジネス上の課題を中心に〜」(2014年4月)【PDF】

そんな中、2015年1月1日からの最低賃金の金額が公表されました(Decree103/2014 / ND-CP)。
地域により最低賃金は異なるのですが、ハノイやホーチミン、ハイフォン市等の大都市圏(地域1)は、310万ドン(146米ドル)となっています。今年まで270万ドン(127米ドル)ですので、ベースアップ率は、約14.8%となり、非常に高い率となり、さらに企業の頭を悩ませる結果になってしまいました。
英文記事だと色々あります。日文だと、8月の国家賃金評議会時点のニュースが多いです。DailyNNAベトナム版では2014.11.12付で配信されています。)

それでも、中国・タイ・フィリピン等の周辺国に比べれば人件費はまだ安いですが、今後、他国の賃金水準上昇との比較しながら進出や規模拡大等の検討をしていく必要はあるでしょう。

各企業では、ベトナム人労働者が最低賃金よりもだいぶ多く給与をもらっている状況でも、自分の給与が15%上昇すると思っている方が多く、対応に悩まれているところも多いようです。

 

労働法上の規定


なお、最低賃金は、労働法(10/2012/QH13)上は、
労働者の賃金は、政府が定めた最低賃金を下回ってはならない(労働法第90条第1項)
とされた上で、

労働法第91条で下記のように定められています。
第91条 最低賃金
1.最低賃金とは、通常の労働条件で最も単純な業務を行う労働者に支払われる最低の金額であり、且つ労働者および彼らの家族の最低限の生活需要を保証できるように設定されるものである。
最低賃金は月、日、時間、地域別、産業別により設定される。
2.労働者および労働者の家族の最低限の生活需要、経済社会状況および労働市場での賃金額に基づき、政府は国家賃金評議会の提案に基づいた地域別最低賃金額を公表する。
3.産業別最低賃金額は、産業別団体交渉により設定され、産業別労働協約に記載されるが、政府が公表した地域別最低賃金を下回ってはならない。

当該規定に基いて、国家賃金評議会が最低賃金平均15.1%アップの提案をしたことが8月に報道されていましたが、その提案に基づき公表されたのが、今回政府の議定(Decree)として発布された最低賃金水準に関する規定ということになります。


■筆者: 工藤拓人■-----------------------------------------------------------------
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