【ベトナム・労務】労働者を雇用する際の注意点2〜労働契約の終了〜 | 弁護士西遊記〜ベトナム、ミャンマー、ときどき中国。
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【ベトナム・労務】労働者を雇用する際の注意点2〜労働契約の終了〜

労働者を雇用する際の注意点2〜労働契約の終了〜


*ベトナム法務【目次】
 
 本稿では、現地で労働者を雇用する場合に注意が必要な点について解説します。ベトナムで労働者を雇用するポイントとしては、労働関連法令全般が対象になってしまいますが、その中でも主なポイントや改正があった部分を中心に解説したいと思います。
5回に分けて掲載予定です。今回は◆

【目次】 
労働契約締結・終了の場面:
労働者契約の締結、試用期間
∀働契約の終了(←今ココ)

労働契約継続の場面
就業規則
じ修費用の返還、組合
ツ其癲社会保険
 
・・・・・

労働契約を終了する方法


労働契約が有期の場面では、有期の期間満了を持って雇用関係を終了する事が可能です。

しかしながら、有期の労働契約を更新できるのは一度だけですし、多くの労働者は無期の労働契約に移行することになります。
その場合に、労働契約の終了の方法としては、主に労働契約の合意解除、解雇、労働契約の一方的解除の3
通りとなります。
合意解除については、大きな問題はないため(実質解雇のような形で強制的にサインさせたような場合は別ですが。)、解雇及び一方的な解除について触れたいと思います。

※なお、労働法第36条には網羅的に労働契約の終了場面が記載されています。
 

一方的な解除


使用者側から労働契約を一方的に解除する場合については、労働法第38条が規定しています。
 
]働者が、繰り返し労働契約に定めた業務を遂行しない場合  
∀働者が、病気、事故で連続して 12ヶ月(無期限労働契約の場合)、6ヶ月(有期労働契約の場合)、契約期間の1/2 以上(12ヶ月未満の季節的業務等の労働契約の場合)にわたり治療を受けたが、労働能力を回復できない場合(労働者の労働能力が回復した際は、使用者は労働契約の継続を検討する。)
E刑辧火災又は政府が規定するその他の不可抗力の理由により、使用者が全ての克服措置を実行したが、やむを得ず生産規模の縮小及び人員削減を行う場合。 
は働者が、労働法第 33 条で規定する期限(労働契約の一時履行停止期間が終わった日より15 日以内。一時履行停止期間とは、労働者が兵役に行った場合、女性労働者が妊娠している場合、労働者が逮捕された場合等を指す。)後に欠勤する場合。

 実務上、労働者が労働規律に違反する場合、合意解除か解雇を先に検討するのが通常ですが、労働者と合意に至らず、かつ、解雇も後述のとおり煩雑な手続となっているため、,痢嶇働者が、繰り返し労働契約に定めた業務を遂行しない場合」として労働契約を解除する場合も見られます。

この点、Decree5
号では、「会社が業務完成度の評価基準を作成し、社内規定で定めなければならない」と規定し、その評価基準作成の際は、労動者の代表組織(社内労働組合、社内労働組合がない場合には上級の労働組合)の同意を得る必要があるとされています。
「業務を遂行しない」ことの立証のためには、評価基準を明確化した上、どのような行為を何回すれば一方的な解除が可能なのかも明確にするのが望ましいと考えます。
 
なお、使用者が労働契約を一方的に解除する場合の手続要件として、以下の期間を置いて労働者に事前通告をする必要があることにも注意が必要です(労働法第38条第2項)。
・無期限労働契約の場合は少なくとも45日前
・有期労働契約の場合は少なくとも30日前
・上記△両豺腟擇12ヶ月未満の季節的業務等の労働契約の場合は少なくとも3 営業日前


但し、一定の場合(業務上傷病の場合、休暇中である場合、妊婦の場合、等)には、上記要件を満たしても、使用者が労働契約を一方的に解除することはできません(労働法第39条)。
 
 この他、労働法では「組織・技術の変更、経済上の問題、企業の吸収・合併・分割・分離の理由」で一定の手続を経た上で労働者を解雇することができるとされています。具体的な手続は労働法第44条〜46条を参照ください。
 「この経済上の問題」については、従来経済的理由によるリストラを指すものと考えられていましたが、Decree5号では、〃从儡躓 ∨瑤老从冑垓掘↓∪府による経済改革、又は経済的国際公約の実行とされており、経済的理由によるリストラが広く含まれるのかは不明な状況となっています。
 

懲戒・解雇


 使用者は、「労働規律」(以下で説明。)に違反した労働者に対して、譴責、6ヶ月を超えない昇給期間の延長・降職、解雇の3種類の処分を行うことができます(労働法第125条)。
これらの処分以外に、就業規則において出勤停止等の軽い処分を創設することができるか否かは明確でありませんが、通常はこの3種類のみを懲戒処分として就業規則に規定します(法律上、労働規律の違反に対する処分として減給及び罰金等にすることができないことは明確に規定されています(労働法第128条第2項)。
この点は、紛争を避けるためにもできる限り具体的に規定することが必要です。
 
「労働規律」とは、「就業規則における時間、技術並びに経営及び生産に関して遵守すべき決まり」とされています(労働法第118条)。
この定義からわかるとおり、労働規律の違反として処分を行うためには、労働規律として就業規則に規定されていることが必要であり、労働規律として就業規則に規定されていない場合には、処分を課すことができないことに注意が必要です(労働法第128条第3項参照)。

懲戒処分を行うためには、
_饉劼労働者の過失を立証すること、
∀働社集団の代表組織(会社内に労働組合がない場合には上級の労働組合の代表)が参加すること、
O働者が出席し、自らの権利を守り又は弁護士若しくは他の者に 弁護を依頼する権利を有すること、
は働規律違反の処分を行う際は文書を作成すること、
といった要件が必要なので注意しましょう(労働法第123
条)。
会社内で労働組合のない場合など、非常に手続が煩雑になります。

■筆者: 工藤拓人■-----------------------------------------------------------------
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