【ベトナム・投資】2015 年7月1日施行、ベトナムの新投資法のポイント(3)―投資形式、国会・首相・人民委員会の承認プロジェクト、現投資法と2005年投資法の関係その他― | 弁護士西遊記〜ベトナム、ミャンマー、ときどき中国。
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【ベトナム・投資】2015 年7月1日施行、ベトナムの新投資法のポイント(3)―投資形式、国会・首相・人民委員会の承認プロジェクト、現投資法と2005年投資法の関係その他―

新投資法のポイント(3)


前回に引き続き2015年7月1日施行の新投資法のポイントを解説します。



【目次】
2015年7月1日施行、ベトナムの新投資法のポイント(1)
1.投資禁止分野及び制限付投資分野の明記
2.投資優遇
2015年7月1日施行、ベトナムの新投資法のポイント(2)
3.外国投資家に関連する投資手続
2015年7月1日施行、ベトナムの新投資法のポイント(3)【←いまココ】
4.投資の形式
5.国会、首相、省の人民委員会の投資政策の承認を受ける投資プロジェクト
6.その他
7.2005年投資法と新投資法との関係


*関連記事:2015年7月1日施行の新企業法についてはこちら
*外部サイト:三菱東京UFJ銀行「Global Business Insight」でも連載

5.投資の形式


2005年投資法では、直接投資の形式として、以下を定めていました(2005年投資法第21条以下)。
々馥眦蟷餡繁瑤漏姐馘蟷餡箸100%出資の経済組織
国内投資家及び外国投資家の合弁
BCC契約、BOT契約、BTO契約及びBT契約
せ業開発への投資
コ式購入・出資
Υ覿箸旅臺撒擇喃禺
Г修梁
また、これとは別途、間接投資についても規定されていました(同第26条)。
 
これに対し、新投資法では、以下のように項目が整理されました(新投資法第22条〜29条)。
〃从兪反イ寮瀘
BCC
契約及びPPP
契約
出資、株式、持分の購入
外国投資家は、無制限に定款資本を所有することができるという原則が記載されていますが(新投資法第22条第3項本文)、上場会社の場合や条件付投資分野の場合等、他の法令制限がある場合はそちらに従うことになります(新投資法第22条第3項但書参照)。
 

6.国会、首相、省の人民委員会の投資政策の承認を受ける投資プロジェクト


前回、外国投資家に関連する手続のところで、国会、首相、人民委員会の事前承認が必要なプロジェクトがあることに触れましたが、このような規定は下位法令において一部定められているものの2005年投資法では法律上明記されていませんでした。新投資法では、この点具体的な対象プロジェクトや手続が明記されていますので、このような特別な承認が必要な場合について簡単に整理しておきます。
 
分類 プロジェクトの内容
国会の承認を要する案件(新投資法第30条) ・     原子力発電所の建設
・     国立公園、野生生物保護区、稲作地等の土地利用目的の変更といった環境に大きな影響を与える案件
・     5万人以上の移転を要する案件(山岳地帯の場合、2万人以上)
・     国会により定められる特別の方針を要する案件
政府首相の承認を要する案件(新投資法第31条) (内資・外資共通)
・     投資額5兆ベトナムドン(VDN)以上の案件
・     2万人の移転を要する案件(山岳地帯の場合、1万人)、飛行場・航空輸送の建設及び営業、海港の建設及び営業石油の探査及び採掘、ゴルフ場の建設・営業、工業団地のインフラ建設及び経営、タバコ生産、カジノビジネス
(外資による投資案件)
・     海運ビジネス、ネットワークインフラを伴う通信サービス、植林、出版、100%外資による科学技術組織・企業の設立
・     法により政府首相の承認を要するとされる他の案件
省レベル人民委員会の承認を要する案件(新投資法第32条) ・     入札等によらずに政府より土地使用権の割当又は賃借が行われる案件(工業団地等一定の地域内で、承認済のマスター・プランに沿って実施される案件は除く)
・     土地利用目的の変更を要する案件
・     技術移転に関する法により移転が制限される技術を使用する案件
 
 各承認が必要なプロジェクトは上記のとおりです。各手続についても期間や順序が定められていますが、紙面の都合上説明を省略します(新投資法第30条〜35条参照)。
 

7.その他の変更点


 その他、2005年投資法では、外国投資プロジェクトの期間について、50年、70年という2つの基準があったものの、分類について明確な記載はありませんでした(2005年投資法第52条)。また、投資プロジェクトの調整や譲渡も可能とされていましたが、具体的な内容や手続は明確化されていませんでした(同第17条)。

これに対し、新投資法では、プロジェクト期間について、経済区における投資プロジェクトの活動期間は70年以内、経済区外の投資プロジェクトの活動期間は50年以内という形で原則の基準を規定しました(新投資法43条)。
また、投資証明書の内容の調整(第40条)、プロジェクトの一部又は全部の譲渡の手続(第45条)、投資スケジュールの延期(第46条。24ヶ月まで。)等を明記するなど、これまで法律上曖昧だった部分を明確化しました。
 

8.2005年投資法と新投資法との関係


 最後に、2005年投資法下で投資証明書を発給している場合、新投資法の施行に伴ってどのような影響があるでしょうか。
 
 新投資法施行日(2015年7月1日)前の投資許可証、投資証明書については、既に発給を受けた証明書に基づいて、投資プロジェクトの実施が可能です。投資家から請求がある場合には、投資登録証明書に切り替えることが可能とされています(新投資法第74条第1項)。

 また、施行日前に投資登録証明書や各承認の必要なプロジェクトを実施している場合でも、投資登録証明書等の手続は実施しなくてよいとされています(同第2項)。
 これらについては、政府が詳細規定を定めることとしていますので、具体的にはその内容も確認する必要があります。
 
以上
■筆者: 工藤拓人■-----------------------------------------------------------------
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