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米中貿易摩擦について最新の報告書では、各超大国の間の相互の保護や復讐(特に米国との中国の間)が、ベトナムの貿易投資分野に大きな影響を与える可能性があるとVCCIのWTOセンターが判断しています。
貿易摩擦がベトナムに与える積極的な面としては、「一部のベトナムの製品は、米中への輸出を増強するためにこの課税されている市場機会を利用することができる。ただし、米国から34Billion USDで課税されている中国の製品はベトナムの主要製品ではないので、この機会の効果は大きくない」旨、NCIFの世界経済部長を担当している博士Tran Toan Thangに予想されています。
では、消極的な面としてどのようなものがあるでしょうか。ベトナム経済にマイナス影響を与える以下の3つの原因があるとされています。
1. 課税されている中国製品がベトナムに輸入される可能性が高い
地理的位置により、中国の余剰製品はベトナムを含む他の近隣地域に多数輸入されています。
中国製品は、価格の優位性により、ベトナム商品市場に大きな圧力をかけることになると予想されています。
https://vov.vn/kinh-te/chien-tranh-thuong-mai-mytrung-lo-hang-trung-quoc-tran-vao-viet-nam-798718.vo
一方、中国製品はアメリカから課税されないことを目的としてベトナムの商標を取得するためにベトナムに輸入されることが考えられます。
中国が米国への製品輸出を目的としてベトナムを利用する(ベトナムで加工してベトナム製品にする等)ことは、米中貿易摩擦が起きた時にベトナムに悪影響を与える可能性が高いです。
すなわち、ベトナムが中国製品を米国に輸出するのを支援したという証拠がある場合、アメリカはベトナム製品に課税する可能性が高いです。
具体的には、今年の5月に、米国はベトナムの鋼板製品に課税した例があります。アメリカが、ベトナム企業が中国から輸入してから、この製品を簡易に加工し、米国への輸出したと疑ったからとされています。
2. 世界経済の減速による影響
また、世界全体の経済成長の減速とともに、ベトナムの輸出製品に対する需要が低下になる可能性があります。
日本、シンガポール、韓国等のベトナムの主要なパートナーがマイナス影響を与えているので、ベトナムには必ず非常にマイナス影響を与えるとベトナムの経済専門家は予想しています。
3. ベトナムからの撤退可能性
この貿易摩擦をきっかけに、ベトナムへ投資しているアメリカの投資家が、ベトナムへの投資を拡大し続けるよりむしろ、ベトナムから撤退してアメリカに移転する可能性もあるとされています。
http://cafef.vn/chien-tranh-thuong-mai-my-trung-viet-nam-bi-anh-huong-lau-dai-20180905161113649.chn
■筆者: 工藤拓人■-----------------------------------------------------------------
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