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この法令は、日系企業を含むベトナムの食品業界において、非常に大きい問題になっています。
そもそもの制定趣旨は、ベトナム国民の栄養バランスが偏っているため、小麦や油、塩に一定の栄養分を混ぜることを義務付けるものです。
ベトナム国内だけに流通する製品であればまだいいのですが、ベトナムから海外への輸出用の小麦や油なども作っている場合も多くあります。
この場合、輸出先では栄養素の添加を認められていないケースも多いです(日本など)。
したがって、海外用とベトナム国内用とで別の製品を作る必要が生じます。
ラインを明確に使い分けていない工場が多いため、輸出用の食品にも追加栄養素が混ざってしまう可能性がありますし、設備投資するとしたら多額の金額がかかってしまいます。
そのため、日本商工会議所(JBAH)からもこの法令運用について反対の意見を出していました。
この効果があったかはわからないものの、現在、「業界からの要請を受けてベトナム政府は5月、保健省に対して政令の撤回を指示した。」という状態になっています。
もっとも、まだ政令は有効な状況であり、今後どうように運用されるかは未定の状況です。
今後も推移を見守る必要があります
■筆者: 工藤拓人■-----------------------------------------------------------------
CAST LAW VIETNAM CO., LTD. 代表弁護士 kudo@cast-law.com
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