【ベトナム・労務】労働安全衛生法に基づく労働災害(労災)と職業病(下) | 弁護士西遊記〜ベトナム、ミャンマー、ときどき中国。
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【ベトナム・労務】労働安全衛生法に基づく労働災害(労災)と職業病(下)

労働安全衛生法の規定 続き

 

今回も、前回に引き続き労働災害および職業病に関する規定に関する整理です。

 

今回は企業側の責任に関してです。

3.雇用者の責任

 

労働安全衛生法85/2015/QH13号に従って、雇用者は、 労働災害・職業病の被災を受けた労働者に対して、次の責任を負う。

 

1.労働災害に被った労働者の応急処置を迅速に施し、また労働災害・職業病の被災を受けた労働者の応急処置および治療に係る費用を立て替える。

 

2.応急処置を施す時から労働災害・職業病に被災した労働者対して治療までの発生費用について、次の通りに支払う。

a.同支払い分および医療保険加入の労働者に対する医療保険負担費用一覧に該当しない費用を支払う。
b.労働能力の喪失率が 5%未満の場合に対して、労働能力喪失率検査の費用を支払う。

c.医療保険に加入しない労働者に対して、全ての医療費を支払う。

 

3.治療や労働機能回復期間中に欠勤した労働災害・職業病の被災労働者に賃金を十分に支払う

 

4.本人の過失によらない労働災害・職業病の被災労働者に対して次の通りの賠償を行う。
a.労働能力の喪失率が 5%から 10%までの労働者に対して、賠償金は最低で賃金の1.5ヶ月分とする。労働能力の喪失率が 11%から 80%までの労働者に対して、喪失率 1%あたり賃金の0.4ヶ月分を追加する。
b.労働災害・職業病により死亡した労働者の家族および労働能力の喪失率が 81%以上の労働者に対して、 賠償金は賃金の 30ヶ月分とする。

 

5.本人の過失により労働災害に遭った場合は、労働能力の喪失率に応じて第4項に規定される賠償金の 40%以上を支給する。

 

6.労働災害に遭った労働者および職業病に罹った労働者が法律の規定に従って労働能力の喪失率の検査、治療、介護、機能回復を受けられるように紹介する。

 

7.労働能力喪失率の医学鑑定評議会が結論を出した時点から、または、致命的な労働災害について労働災害の調査団が労働災害の調査記録書を公表した時点から 5 日以内に、労働災害・職業病の被災を受けた労働者に手当および賠償を行う。

 

8.労働災害・職業病の被害を受けても業務を続ける労働者に対して、労働医学鑑定評議会の結論に基づいて、健康状態に適した新たな業務を配置する。

 

9.労働災害・職業病の保険基金から労働災害・職業病の保険制度適用申請書類を作成する。

 

10.上記の第3,4,5項に規定される労働災害・職業病の被災を受けた労働者に対して支払い賃金、手当、賠償制度実施の基礎となる賃金は給料、役職手当、扶助および労働に関する法律の規定に従ってその他の手当を含む賃金である。

 

4.罰則

 

労働安全、労働衛生に関する規定に違反する場合は、政令93/2013/ND-CPの第16条の第1項に従って以下の通り規定される。

 

以下のいずれかの行為を犯した雇用者は、 2,000,000VND〜5,000,000VNDの罰金を科される可能性がある。

a) 労働安全・労働衛生を保障する計画を作成・実施する際に、事業所における労働者集団の代表組織から意見を聴取しない行為。 b) 事業所内において、危険で有害な物質を検査・評価しない行為。

c) 労働安全・労働衛生業務を担当する者を指名しない行為。

d) 法規に基づき労働災害、職業病、又は深刻な事故に関する定期的な統計及び報告を行わず、 または事実と異なる報告をする。

 

 

■筆者: 工藤拓人■-----------------------------------------------------------------
弁護士法人キャスト ホーチミン支店 代表弁護士 kudo@cast-law.com
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